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第18話 すべての始まりのきっかけ

Auteur: Aica
last update Date de publication: 2026-04-15 00:01:30

【一弥side】

俺の家は地方でも有名な財閥だった。

外から見れば光り輝いているように見えるけれど、内情は全く別物だった。

両親は長年海外にいて、俺を古い邸宅の執事やメイドに任せきり。

正月やお盆の親戚の集まりは、表向きは親しげでも、裏では俺の家から少しでも取り分を奪おうと算段している。

かつて一緒に遊んだ従兄弟や従姉妹も、成長するにつれ全員が競争相手になった。

彼らは目的を持って俺に近づき、俺から何かを得ようとする――それが当たり前だった。

だから、俺は人を信じなかった。

真心も、善意も、この世に見返りなしで存在するものはないと思っていた。

――そして、あの事故まで。

あの年、俺は16歳だった。

車のブレーキが故意に操作され、ガードレールに衝突する瞬間、死ぬと思った。

後で聞いた話だと、家のビジネスの競争相手による報復だったという。

手に入らないプロジェクトの腹いせに、こんな手段を使ったらしい。

道端で倒れ意識を失ったとき、額から血が目に流れ、世界は赤くぼやけた。

「まぁ、いいか。どうせ誰も気にしないだろう」と思った。

目が覚めると、眩しい白い光の中に、ひとつの顔があった。

綾乃。
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